愛知教育大学天文愛好会CORE
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自作プラネタリウム - Planetarium

"planetarium"の単語は、"planet"(惑星)と"arium"(~を見る場所)に分解することができます。
プラネタリウムの原型となった装置は、紀元前、アルキメデスがすでに所持していたされ、18世紀の天文学者アイゼ・アイジンガーは自宅の天井に太陽系の模型(惑星儀)を作り、これを「プラネタリウム」と名付けました。この日から現在まで、プラネタリウムは人々を楽しませ続けています。

COREには自作プラネタリウムが存在し、大学祭や科学・ものづくりフェスタ、天文台一般公開、出張公演などで活躍しています。
ここではCOREの自作プラネタリウムについて、技術面の情報もあわせてご紹介します。

沿革

投影機1'

アイジンガーのそれには及びませんが、COREの自作プラネタリウムにもそれなりの歴史があります。

1984年の大学祭前、「プラネやろうよ」の一言に端を発します。
その翌年からは本格的に投影機の製作が行われ、幾度か新造と改造が重ねられています。
1997年には次世代プラネタリウムのプロトタイプとなる2球式片アーム型プラネタリウム元祖Supraが製作されました。
翌年春にはSupra mark IIが大学祭に合わせて製作され、現在のプラネタリウム装置の原型となっています。
2014年にはAUE学生チャレンジ・プログラムによる大学からの支援を受け、Supra mark IIの機能や形状、特徴をほぼ継承したSupra mark II'としてリニューアルされ、現在も改良が続けられています。

プラネタリウム公演

大学祭

COREでは定期的にプラネタリウム公演を行っています。

  • 大学祭(5月)
  • 秋の祭典(11月)
  • 科学・ものづくりフェスタ(11月)
  • 天文台一般公開(およそ2か月に1度)
  • その他依頼

公演予定などの情報については、こちらをご覧ください。
また、出張公演などのご相談につきましては、「連絡先」よりお願いいたします。


投影形態・方針

約20分間の生解説をCORE部員が行っています。
投影中に原稿が読めないという理由もありますが、参加者の方が子どもか大人のどちらが主体なのか、などその場に応じて臨機応変にお話を進めるため、すべて生解説の投影です。
そのため、内容については特別な制約も設けておらず、その時間を担当する解説者が流れや雰囲気を考慮した上で、投影しています。


内容

前述の通り、内容についてはすべて解説者に委ねられているため、すっぱりとお話の内容をお伝えすることはできません。
基本的には投影当日に見られる星空についてのお話を中心に進めています。
これは多くのプラネタリウムで行われている投影スタイルでもありますが、本物の星空をぜひ見ていただきたいという思いが込められています。
その先は解説者ごとに切り口が全く違っており、当日その時間までのお楽しみです。


プラネタリウム公演にお越しの方へ

大学における公演の場合、場所となる教室の入口に投影開始時間を貼り出しています。
その場にいる担当者にご都合のよろしい時間と人数を伝えていただき、整理券をお受け取りください(満員となる場合もございますので、早目にお越しください)。
投影開始5分前には教室までお集まりいただきますようお願いいたします。
また、解説は主に1,2年生が担当しております。
不慣れなためにお聞き苦しい点もあるとは思いますが、どうかご了承ください。

Supra mark II'

投影機2
投影機3

特徴

最微等級5.5
約3,000個までの星が投影でき、本物に近い星空を表現することができます。
RGB方式によるドーム内照明
総天然色でどんな色でも表現可能です。
朝夕焼け・薄明照明
心地よく自然に星空の世界へとご案内します。
省電力
超高輝度LEDとパルス幅変調(PWM)調光を用いることで無駄な電力を消費しません。
総アルミ製
堅牢・軽量・コンパクトな設計を実現し、機動性に優れます。また、自動車のように本体をGNDにすることができるため、安定した動作を実現します。
ステッピングモータによる駆動
天体望遠鏡用のステッピングモータを用いた静粛かつ高トルクな回転により日周運動を表現します。
ロータリー接点
固定部から回転部への電気接点は、銅板を用いたロータリー接点とすることで、導線を使わない設計としています。

主な仕様

投影機
方式 2球ピンホール式
最微等級 5.5
緯度 半固定(手動で変更可)
日周運動 ステッピングモータによる電動式
材質 アルミ
真鍮(赤経軸)
投影用光源 恒星球 五藤光学研究所EX電球(2V2A)
天の川 白熱電球(2.5V0.3A)
太陽 超高輝度白色LED
(製作中)
惑星 (製作中)
輝星 (製作中)
星座絵 (製作中)
照明 ドーム内 超高輝度LEDによるRGB方式
朝夕焼け 白熱電球(2.5V0.3A)
薄明 超高輝度青色LED
ドーム
方式 布製エアドーム
直径 3.6m
高さ 2.5m
(うち地平線高0.7m)
制御装置
電源 スイッチング電源
5V10A,5V5A,13.5V0.8A
(5.5Vで動作)
調光 122Hz
(PWM調光によるマニュアル制御)
調光系統 恒星球
天の川
太陽
月(製作中)
惑星(製作中)
輝星(製作中)
星座絵(製作中)
ドーム内照明
朝夕焼け・薄明照明
予備×2
日周運動制御 ステッピングモータの正転・逆転・無段階速度調整
回路保護 系統別ヒューズによる過電流防止
その他
音響 4チャンネル・マトリックス接続によるナチュラルサウンド

部分解説

恒星球・天の川投影機
恒星球

恒星球の直径は360mmです。
およそ3,000個の穴を一つずつピンバイスを用いてあけました。

地平線シャッター

恒星の光源には五藤工学研究所のプラネタリウム用EX電球を用いています。
詳細はこちらをご覧ください。
また、電球を包む黒いお椀は、地平線以下に星を投影しないようにするためのシャッターで、恒星球が回転しても常に同じ角度を保っています。
このアイデアは、神戸大学天文研究会によるものです。

天の川投影機

天の川投影機は、乳白色のフィルムケースをスプレー塗装し、先のとがったもので塗装をはがして天の川をつくっていきます(神の気分!)。
光源は2.5V0.3Aの白熱電球です。
フィルムケースの選択がポイントとなり、少し透けて見えるくらいのものが最も良いようです。
まったく透けないフィルムケースでは光が散乱し、光害にしかなりません。
取り付け位置は夏の太い天の川を表現するため、かみのけ座の少し東側にある星の少ない領域としました。
この天の川投影機のアイデアも、神戸大学天文研究会によるものです。

恒星球取り付け板・オプション取り付け板
恒星球取り付け板・オプション取り付け板

恒星球取り付け板の2mm厚アルミは、四角のアルミ板に円をけがき、その少し外側にドリルで何か所も穴をあけて切断、金属やすりで根気よく削ることで円形にしました。
その背後にあるオプション取り付け板も同様です。
2つの取り付け板は高ナットによって接続し、アングル材によってその間から漏れる光を防いでいます。

ドーム内照明・朝夕焼け照明・薄明照明
照明1

黒いお椀の間にある白黒2つのフィルムケースには朝夕焼け・薄明照明に用いる電球が入っています。
朝夕焼け照明ユニットは、黒のフィルムケースにスリットを作り、2.5V0.3Aの白熱電球を2つ詰め、オレンジ色のセロファンと乳白色のフィルムケースを上から被せています。
薄明照明ユニットは、同じく黒のフィルムケースにスリットを作り、その内側にアルミホイルを貼り、超高輝度青色LEDをスリットとは逆側に照射、内側に張ったアルミホイルに反射した光がドーム内にぼんやりと映るように工夫しています。
白の扇状の板は、ユニットからの光が地平線以下に投影されることを防ぐと同時に、乱反射することでドームの東西をやんわりと照明する役割もあります。

照明2

上の画像のお椀の中には乳白色のフィルムケースが1つずつあり、東西合わせて4つのドーム内照明を構成しています。
中にはRGBそれぞれの超高輝度LEDが2つずつ詰め込まれており、その一つひとつに定電流ダイオードが接続されています。
詰め込む際にはLEDが上向きにならないようにすることがポイントです。

投影機中心部
中心部1

固定部から回転部(赤経軸)への電気接点は、銅板を用いたロータリー接点とし、導線を使わないことでそのねじれや絡みを解消しました。
8系統あるうち、現在は4系統(北天恒星球、南天恒星球、天の川投影機、太陽投影機)使用しています。
左側の太い接点はGNDで、自動車と同じように投影機全体を介してアースをとることができます。

中心部2

モータ、クラッチはビクセンSP赤道儀のものを使用しています。
赤経軸側のギヤは特注品で、7,000円ほどかかったのだとか……。
また、回路はDA-15コネクタを用いて制御装置と接続しています。

ドーム
(工事中)
制御装置
制御装置1

画像左下のスイッチとボリュームは日周運動を表現するステッピングモータの制御、右下のボリュームは恒星、天の川、太陽、月、惑星、輝星、星座絵などの投影機の調光、左側から一列に並んでいるボリュームはドーム内照明、朝夕焼け・薄明照明の調光を行っています。
朝夕焼け・薄明照明は、1つのボリュームで「夕焼け→薄明」や「薄明→朝焼け」が自然に再現できるようになっています。

制御装置2

この制御装置には調光用回路とモータ制御回路、2つのスイッチング電源(5V5A+13.5V0.8A,5V10A)が入っており、投影機のすべての制御を集約しています。
13.5V0.8Aは78M05(3端子レギュレータ)で5Vに落とし、電圧降下に敏感な調光制御に安定した電源を与えています。

資料

これからプラネタリウムを自作される方のために資料をご用意しています。
内容が充実しているとは言い難いですが、今後、電気系の解説や調光の原理と設計、オプション(補助)投影装置のヒントなどについての資料を公開予定です。


Chips

2球ピンホール式プラネタリウムの謎
恒星用電球の位置計算や赤緯ラインの計算についてです。
恒星球について
穴あけや星の個数についてです。
プラネタリウム用ドームの設計
ドーム設計時の基本的な部分についての解説です。
プラネタリウム設計図(概略)
まだ概略のみですが、参考までに。
金属加工について
思っている以上に簡単です。面倒ですが……。
音響設備について
プラネタリウムに必要なのは光だけではありません。

回路図

Supra mark II'の基本的な回路図です。

回路図1 パルス式調光基本回路 PDF
回路図2 青色LED・赤色LEDを用いた、朝夕焼けの調光回路 PDF
回路図3 星座絵投影用調光回路 PDF
回路図5 ビクセンパルスモータ無段階変速制御回路 PDF

AUE学生チャレンジ・プログラム成果報告書

AUE学生チャレンジ・プログラムにおける成果報告書です。

2014年度 プラネタリウム作成【学長賞】 PDF
2016年度 プラネタリウム製作 Vol.2【大賞】 概要版 PDF
詳細版 PDF