ABSTRACT of GalacticCenterBH_edu2


<第2回>
長野ブラックホール天文教育研究会
銀中祭り [ 2015 May 30 - 31 ]

長野ブラックホール天文教育研究会(銀中祭り)講演アブストラクト

   
 

イントロ(45 分)
・大西浩次(長野高専) :研究会の趣旨
・嶺重 慎(京都大) :前回の研究系のまとめ
第 1 回研究会の中から研究に関する報告をまとめる。内容は、SgrA*の赤外線観測、近傍の巨大 ブラックホールの VLBI(超長基線電波干渉計)観測、重力マイクロレンズ現象など
  
・篠原秀雄(草加東高) :前回の教育系のまとめ
第 1 回研究会の中から教育に関する報告をまとめる。内容は、学習指導要領と教科書にみる銀河 系、ブラックホールを素材にした高校物理の実践例の紹介など
  
第1部:ブラックホール研究最前線
  
・田村隆幸(JAXA/ISAS):衛星観測データを用いた宇宙科学
科学衛星データを用いた宇宙科学のオンライン教材を紹介する。
http://www.isas.jaxa.jp/home/ttamura/classroom/
これは,2010 年度までに,研究者と大学と高校教員の協力で作られた。実際に研究者が用いてい るデータを解析し、創造と発見の喜びを体験できる。主に X 線天文学のデータを用いる。「銀河 系中心部に潜む巨大ブラックホールを暴け」を含め,8つの課題を提供している。
  
・秦和弘・秋山和徳(NAOJ):
VLBI で探る超巨大ブラックホール探査の最前線 超長基線電波干渉計(VLBI)は、既存の観測装置を圧倒する高い空間分解能(視力~数 100 万)を 有し、ブラックホール天体の詳細な構造を調べられる重要な観測装置として活躍してきた。さらに 近年の観測技術の発達に伴い、地球から最も近い超巨大ブラックホール天体などで VLBI によるブ ラックホール自身の直接撮像の実現が今後数年以内に期待されている。本講演では VLBI による超 巨大ブラックホール探査に関する近年の成果や将来展望を中心に紹介し話題提供を行いたい。
  
・亀谷 收(NAOJ 水沢) :
1水沢での SgrA*モニター観測
2ブラックホールと天の川銀河のアウトリーチ活動国立天文台水沢 VLBI 観測所で 1 年半に渡って実施した 22GHz 帯 SgrA*モニター観測の様子とア ウトリーチ活動の様子について述べる。特に国立天文台水沢地区に隣接する奥州宇宙遊学館を活 動拠点の一つとする日本宇宙少年団水沢 Z 分団の定例活動で、ブラックホールの模型作りと天の 川銀河の模型作りを行ったので、詳細を解説する。
  
・三好真(国立天文台) :
銀河NGC4258におけるブラックホール近傍のケプラー運動 干渉計の基本(復習)や PV 図など、研究で多様される概念や図の解説をします。
  
・高橋真聡(愛教大) :
ブラックホール探査(時空研究)に向けての理論的取り組みについて概説する。また、そこで用いる物理学・天文学の基礎を高校生に啓蒙する活動について紹介する。
  
・高橋労太(苫小牧高専) :
ブラックホールの時空での光の振る舞い ブラックホール周囲での光の振る舞いに関する基本的なことがらについて講演する。特に、光の 性質とブラックホールの定義、ブラックホール・シャドウなどの基本的な内容について話す。最新の研究トッピクスも紹介する。
  
・斉藤秀樹(長野市博物館):
博物館における天文教育~生涯学習を通して~(ショートコメント)
長野市立博物館は、市民が主体的に楽しむ博物館を目指している。その中で、ながはくパートナー(ボランティア)が行ってきたこと・これからのことを天文グループの活動を中心に紹介する。
   
第 2 部:ブラックホールの学習教材と実践(125 分+15 分休憩)
・波田野聡美(Asterisk):
映像で見せるブラックホール見ることができない「ブラックホール」を正しく理解させるには、科学的知見に基づいた映像表現が効果的である。いくつかの事例を紹介し、こうした映像教材の可能性を探る。
  
・嶺重 慎(京都大) :
ブラックホールシミュレーション事情とプラネ番組 1スパコンを使ってブラックホールに流れ込むガス(降着流)や、噴き出すガス(アウトフロー)、その放射特性や周囲への影響が明らかにされつつある。その現状をレポートする。 2昨年冬、つくばエキスポセンター製作のプラネ番組(「ブラックホール~銀河中心にひそむ謎」) に監修として携わった。その経験から、プラネ番組の可能性と今後をコメントする。
  
・大羽 徹(名大附属中高):
相対論・宇宙論の授業実践と生徒研究員制度の活動 学校設定科目:サイエンス・リテラシープロジェクト II(SLPII)、学びの杜では、高大連携型に よる授業を行っている。平成 25 年度から相対論、宇宙論に関する内容を扱っており、授業実践を 報告する。また、生徒研究員制度:相対論・宇宙論プロジェクトの活動について報告する。
  
・竹浦史朗(交野市倉治小):
小・中学校の天文教育(ショートコメント) 授業と星を観る会について
  
・高橋 淳(水海道一高) :
さわるブラックホールが欲しい ものの理解には、視覚のみならず五感で感じることが有効である。またその手法は、障害の有無 を問わず多くの人の間で理解を共有することにつながる。障害者とともに楽しむ宇宙理解の教育 プログラムの実践例から、ブラックホールの「ハンズオン化」を提言したい。
  
・孝森洋介(和歌山高専) :
重力レンズの製作 重力レンズと同様の効果を持つレンズを作成するという話を高専でもちょっとやってみたいと考 えている。和歌山高専には3D プリンタがあってそれでレンズの型を作ってみたいなと考えてい ます。3D プリンタ用の設計図作成は高専の学生はできるらしいので設計図の作成からやっても らってと考えています。参加者の皆様のアドバイスをいただけたらと思います。
  
総合討論 モデレーター: 嶺重 慎